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-インテル インテル インテル-

「欧州王者インテルの戦い方と今後」 Inter! Winner of UEFA Champions League Final!

文:植芝敬治 写真:原悦生 Text: Keiji Ueshiba  Photo:Etsuo Hara

 

Football World Web Magazine 2010 06

 5月22日、土曜日。マドリードの夜はインテルの夜になった。紙吹雪とテープが残るピッチはインテルのファミリーの宴だ。その宴はマドリードとミラノで朝まで続いた。インテリスタは声高らかに「我らはヨーロッパ・チャンピオン」と連呼した。
 ノックアウト・ステージで優勝候補のチェルシー、バルセロナを倒してきた勝負強いインテルが、決勝でもバイエルン相手に順当に勝利を収めた。実に45年ぶりのチャンピオンズというタイトル獲得は重みのあるものになった。
 バイエルンはノックアウト・ステージはラッキーの連続だった。フィオレンティーナ戦ではクローゼが約2mも前の明らかなオフサイドをレフェリーに見逃してもらった。次の準々決勝でもルーニーの足首の故障という相手側のアクシデントに恵まれ、再びアウェーで2-3と敗れながらもアウェーゴール・ルールで勝ち上がった。準決勝では火山灰まで味方につけて、リヨンを破って決勝に駒を進めた。だが、インテルに比べたら、内容的にも劣り優勝するチームとしてふさわしいとは私には思えなかった。
 バイエルンのファンハール監督が試合前の記者会見で「インテルはチェルシー、バルセロナ戦で主審のミスに多く助けられた。我々も注意する必要がある」と力説したが、それでいて自分たちのフィオレンティーナ戦には目をつぶるという利己主義的なヨーロッパ人の人間性が現れた発言だった。
 イタリアの審判、ルセッティに相手選手の足首を右足で踏みつけた、として一発レッドカードを受けたバイエルンのリベリーが3試合の出場停止処分。バイエルンは普段、右のロッベン、左のリベリーが両サイドからかく乱してチャンスを構築することが多い。でも、大一番ではインテルはロッベンだけを注意すればいい状況になった。
 インテルのスナイデル、バイエルンのロッベン、この二人はともに2009-2010シーズン初め、レアル・マドリードから放出された選手だ。それがキーマンとしてレアルの本境地サンチャゴ・ベルナベウ開催のファイナルに主役として戻ってきたのだから、皮肉なものだ。付け加えれば、インテルにはかつて移籍金「0」でレアルから移ってきたカンビアッソもいる。
 インテルは、ロッベンのマークには中盤にザネッティを上げ、キヴをバックに起用、より守備的に2枚で当たった。試合開始直後、インテルがバイエルン陣内に攻め入るが、その後はバイエルンがボールをコントロール。前半のボール支配率はバイエルン69%、インテル31%、数字上では圧倒的な違いだが、バイエルンに決定的なチャンスはなかった。アタックのエトー、パンデフも献身的にディフェンスにまわり、サムエル、ルチオのセンターバックの壁は厚かった。逆に35分、スナイデルが一瞬の隙をついて右サイドを走るミリートにスルーパス、ミリートは追いすがるディフェンスを交わして、ゴールネット中央上を揺らした。
 バイエルンのセンターバック、デミチェリスとファンボイテンは高さはあるもののスピードに欠ける。インテルのアタックにこの二人が対処できるか大きな懸念材料だったが、それが的中してしまった。
 後半25分、再びミリートがファンボイテンをフェイントで交わしてGKと1対1、冷静に右隅に蹴り込んで、2点目。これで勝負あった。
 バイエルンの決定的なチャンスは後半開始直後にあった。インテルのディフェンスが集中力を欠いたのか、ミューラーをフリーにしたときだった。そのシュートはGKフリオ・セザールの足に当たった。
 結局、フルタイムでのボール支配率はバイエルン70%、インテル30%。だが、その70%のうちの多くの時間がサイドやバックパスに費やされた。シュート数では12対8(枠内では7対4)。
 試合後、元インテルの所属選手だったバイエルンのルンメニゲ会長が「今日のインテルは戦術、体力で我々を凌駕していた」と率直に敗戦を認めた。だが、ファンハール監督は「我々のサッカーはスペクタクルだった。インテルはディフェンシブなサッカーでつまらなかった。もしミューラーのシュートが右か左にずれていたら、また、マイコンのハンドを審判がファウルと認めたら、我々にも十分に勝利のチャンスがあった」と述べた。でも、これは負け犬の遠吠えにしか聞こえなかった。
 インテルはイタリアカップ、リーグ戦セリエA)に続きチャンピオンズ・リーグも制して3冠。これを置き土産に、モウリーニョ監督はインテルを去って、レアル・マドリードの監督になった。後任にはカペッロ、ヒディンク、ベニーテスなど大物の名前が挙がっているが、ワールドカップがあるため、当分は決まらないかもしれない。インテルはマッシモ・モラッティ会長の父親アンジェロがカップ時代に成し遂げたチャンピオンズ2連覇めざしてチームを熟成させることができるだろうか。

 

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■評価

 

formation
  • ■バイエルン 4-2-3-1
  • ブット:6
  • ラーム:5
  • ファンバイテン:4.5
  • デミチェリス:4.5
  • パドシュトゥバー:5
  • ファン・ボメル:5
  • シュバインシュタイガー:6
  • ロッベン:6.5
  • ミュラー:6.5
  • アルティントップ:5
  • →63分 クローゼ:5
  • オリッチ:5.5
  • →74分 ゴメス:5
  •  
  • ■インテル 4-2-3-1
  • フリオ・セザール:7
  • マイコン:6
  • ルシオ:7
  • サムエル:7.5
  • キヴ:5
  • →68分 スタンコヴィッチ:6
  • カンビアッソ:7
  • ザネッティ:7
  • エトー:7
  • スナイデル:8
  • パンデフ:6.5
  • →79分 ムンタリ-:NG
  • ミリート:10
  • →92分 マテラッツィ-:NG
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